コオコオラウ&ネヘ(カイル) |
キク科のコオコオラウはクリオウオウトレッキングツアーで見られる固有種です。
先日のクリオウオウトレッキングツアーで、明るい黄色い花が山頂手前で僕たちを迎えてくれました。ハワイ固有種のコオコオラウです。デイジーの仲間であるこの植物は他に20種類あります。
この20種類は全て固有種ですが、先祖をたどると、鳥に運ばれてきたと思われる1種にたどり着きます。ハワイに入ってから20種類に進化したというわけです。こうして、少ない先祖からたくさんの新しい種類に進化することをradial evolutionといいます。ハワイでよく見られる現象です。radial evolutionを直訳すると「放射状進化」となりますが、これは植物の種が風、海流、または鳥に運ばれて4000kmの海原を渡りハワイに根を下ろし、そこから少しずつハワイの多様な環境に適応しながら進化することです。「ハワイの自然」(清水善和著)では「適応放散的種分化」と訳されています。コオコオラウとその仲間が適応放散的種分化のよい例です。
コオコオラウの大型版、カウアイ、アラカイ湿原でしかみられない固有種のデイジーです。
この種類のコオコオラウは葉っぱも花もかなり大きいです。クリオウオウのコオコオラウの花は直径1センチぐらいなのに対して、このアラカイ湿原のコオコオラウの花は3センチほどあります。
面白いことにコオコオラウの先祖に当たるものの種には鳥や動物にくっつくための針のようなものが付いていましたが、ハワイには4本足の動物が一切いなかったため必要性がなくなり、針は退化してしまいました。
ハワイアンはコオコオラウの葉っぱを強壮剤(ヒーリングティー)にしています。ヒーリングの祈祷師(カフナラアウラパアウ)は患者に「とりあえずこれを飲みなさい」とよくいうようです。僕も時々作りますが、さっぱりして美味しいですよ。お腹を落ち着かせてくれます。
オアフ島のカエナ岬で生えていえる固有海岸植物ネヘです。
クリオウオウ山で見るコオコラウは山の植物ですが、同じキク科の仲間で海岸植物のものもあります。ハワイ語でネヘといいます。ネヘにも20種類ほどの固有種の仲間があります。島によって、場所によって種類が変わります。このネヘはオアフ島のカエナ岬で生えています。潮風がよく吹く環境に適していた地面に這う形状をしており、水分を保つための肉厚な葉を持っています。