白いハイビスカス コキオ・ケオケオ (小野カイル) |
コキオ・ケオケオ (オアフ島)
ハワイの花のイメージによくハイビスカスが使われます。確かにハイビスカスはハワイの至るところで咲いています。ハイビスカス科の花の種類は大変幅広く、乾燥して いる海辺に見られるオレンジ色のイリマもハイビスカス科ですし、人の庭によく見ら れる低木のレッドハイビスカスもあります。
今日ご紹介するハイビスカスはハワイの 低山の雨林に対応し独自の進化を遂げた10mもの木に成長するハワイ固有種の白いハイビスカス「コキオ・ケオケオ」(Hibiscus arnottianus)です。
コキオはハワイ語で「ハイビスカス」で、ケオは「白」を意味します。ハワイには外来のハイビスカスがたくさんありますが、ハワイでしか見られない珍しいハ イビスカスもあります。このコキオケオケオはハワイの中でも珍しいもので、オ アフ島にしか生育していません。
コキオケオケオはAAEのジャングルハイキングツアーでよく見られます。またAAEがコーディネートしたNHKの「ハワイトレッキング紀行 オアフ島編」では旅人の田中律子さんが野生のコキオケオケオを見つけ、それをスケッチブックに描くシ ーンがあります。
コキオケオケオは他のハイビスカスと同様、あまり持ちがよくないのでハワイアンはハイビスカスをレイには使わなかったようですが、飾りに使ったりはしていました。またハワイアンの古代の歌や伝説にも言及されています。コキオの幹の繊維は縄になりますが、ハワイにはもっとよい縄の原料(例えば、 オロナーまたはハイビスカスの仲間のハウ)があったのでそれほど利用されていなかったようです。直根は薬に利用された話があります。
コキオケオケオはよく改良種の親に使われます。 自然の中で咲いている状態を見る場合はオアフ島の山に行かないといけませんが、あ ちらこちらの庭または植物園でも栽培されています。 カウアイ島にコキオケア(Hibiscus waimeae)という似たような白いハイビスカ スがあります。(ケアも「白」という意味します。)モロカイ島には、茎も含め真っ白なハイビスカスがありますが、全滅の危機にあり一般に見ることはできません。
今年のコキオケオケオのシーズンは長く、ジャングルハイキングツアーでは夏のはじめから10月の今もまだ咲き続けています。ご覧になりたい方はジャングルハイキングツアーにどうぞご参加ください。