アラスカから帰って来た友達(カイル) |
毎年この時期になると、コレアがアラスカからハワイにやってきます。この渡り鳥は夏の間アラスカで繁殖します。夏のアラスカは虫が多いので繁殖に適しているのです。コレアの親はヒナに一切餌を食べさせません。アラスカでは虫の多いこの時期、幼いヒナたちは、ただ口を開けているだけで、餌が飛び込んでくるのです。8月になるとヒナ鳥も親鳥と一緒に寒いアラスカの冬を避けて、暖かいハワイで過ごすためハワイに渡ってきます。4月になるとコレアはまたアラスカに戻ります。
コレアはアラスカからハワイまでの約4800キロを50時間ノンストップで飛んできます。小さい体のどこにそのような飛ぶ力があるのかと驚かされます。ハワイに到着した当初は長い移動ですっかり消耗した様子で、ほっそり痩せています。ハワイに着いたばかりの時は、アラスカを出発した時の体重の半分ぐらいしかないそうです。
コレアははっきりした縄張りを持った鳥で、毎年だいたい同じ鳥が同じ場所にいます。これからアラスカに戻るまで、ハワイでいっぱい食べて体力回復、まるまる太っていくのです。
ハワイにいる時は金茶色のまだらの冬羽ですが、春になりハワイを出発する頃、つまり繁殖期が近づくと、顔の回りと胸は黒い羽に、頭から首にかけて線状の白い夏羽に生え変わります。
今年初めてのコレアを見かけた日の夕方、外で甲高い鳴き声がしました。隣の家の屋根を見ると、やはりいました。このコレアはもう数年前から隣の屋根を縄張りにしています。すっかり馴染みの友達が戻って来た気分です。「コレアちゃん、お帰りなさい」